国際野点協会(INA)

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2010年 07月 20日

2010年7月19日(祝)「海の茶会」を終了しました

国際野点協会 第一回 公式茶会「海の茶会」終了
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国際野点協会の初の公式茶会となる「海の茶会」が盛況に行われ、無事終了いたしました。
参画者の野点人各位、ご臨席いただいたお客人の各位には、心より御礼申し上げます。
この日、初めて出逢った同士の方も多かったので、この時の写真の登場人物の、今後の展開(波紋)が楽しみな一枚です。

当日は、「非常に高い確率」での「晴れ時々曇り」とう天気予報でしたが、雲があるものの、それぞれがみな太陽を避けて通り、曇ることのない晴天となりました。
あまりの行楽日和に、準備中には渚にレスキュー隊が出動し、上空をヘリが旋回したり、高速道路渋滞で遅参者が出たりしましたが、真夏日にも関わらず、葛西臨海公園駅を降りると、すでにすーーーっと爽やかな海風が吹いています。この日行われたイベント「よさこい」も夕方には静かになり、緑地は爽やかに、とりわけ緑陰では予想以上に涼しい茶席とあいなりました。
やはり自然って素晴らしいですね。こちらも、理屈を捨て、五感をセンサーにして、この日一日限りの茶席を据える場所を探すひとときは、五感と想像力もフルに使うので、「生きている!」と強く感じる瞬間です。
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葛西臨海公園の中央のプロムナードを直進し、正面のクリスタル・ビューを抜けて渚に向かうと、なだらかなスロープの緑地に出ます。この一隅の松林で、直射日光をさけてしつらえた四畳半のシートに、薄いブルーの布を貼り、真四角の一角のみを接して斜に別のシートを広げて水屋を設置しました。
松林の枝は低く、ちょうど草庵の天井ほどの高さに松の梢があり、海から吹いてくる風が木下闇を通ってさらに冷やされ、やや東南の一定方向から、終始心地よい風が吹き続ける中での茶会となり、驚くほど快適で汗をぬぐうことが全くありませんでした。
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17:30~第1席
18:00過ぎ~第2席
19:00過ぎ~第3席
と、計3席を行いました。夕暮れ時、一番お客様の多い時間帯を見て、横断幕を持って海の前での記念撮影を行いました。

海に向かって点前座をしつらえ、上座床には、先日のTV取材の協力記念でNHKよりいただいた、大河ドラマ「竜馬伝」特製の、青海波(せいがいは)が一面に描かれた紫紺の布(実は風呂敷)を広げ、そこに折り紙の船を渡らせました。海風に煽られ、波乱万丈に揺れつ起きつする船は、人形劇のようでした。
墨跡の色紙「万里無片雲」は、風による転倒を考え、予め平置きして飾りました。
点前座の向こう(結界かわり)に、国際野点協会のロゴを印刷した横断幕を広げ、点前には長板替わりに矢がすり柄の手ぬぐいタオルを敷き、涼を演出。
全体に、茶筵に立ったまま歩み寄ってみたときに、俯瞰から全体が見渡せる室礼となりました。
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企画当初は、『氷の彫刻で「白鳥」を飾り、そのくちばしより滴る冷水で、正客へ一服献じ、両翼より滴る冷水で次客、三客をもてなしたい!』…という久富プロデューサーの冷たくも熱い意向でしたが、準備困難で今回はかなわず…。その思いを受け止めた野点人でクラフトマンの吉森氏が、折り紙の白鳥をサプライズで持参しました。これをピクニック籠の肩に留め、久富を見守る守護神として飾り、席中でその思いを披露しました。
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風対策としては、点前の盆(ぞうひこ製)の上に、イグサで編んだ丸いランチョンマット(アフリカ製)を貼り、イグサの下からU字のヘアピンを突き刺して、足下で前後に折り曲げ、突き出した先端は少し広げ気味にして使い、太めの「ウグイス」を立てました。(ウグイス:茶筅が飛ばないように下から垂直に突き出た金具。茶筅の手元の竹筒部分をそこにかぶせて立たせ、横風による転倒を防いだ。)点前用の茶筅にぴたっと合わせて太さを調整できるので、茶筅は海風にも揺れず、松場とともに、南風を櫛で梳くようにして涼風を生みました。

点前は、盆略ですが、運びを省略するため、また風に倒されないため、最初に小ぶりなピクニック籠に茶碗・茶杓・棗を入れ、籠ごと盆の上に置き、建水も予め置いて点前始めとしました。

菓子と一緒に、扇に重ね盛った「冷えピタシート」を運びだし、お好みに応じて、おでこや首筋に貼って「涼」を取っていただきました。これは、前日まで祇園祭の鉾上にいた茶友からのアドバイスで、浴衣の背中に貼っておくと驚くほど涼感を得られるという助言にヒントを得たものです。喜んでいただけました。
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菓子は、コバルトブルーの平丸皿にランダムに盛った熱田の藤団子。紐を手繰ればきちんと五色の輪っかが釣りあげられます。この日は、この菓子に「波紋」と銘をつけさせていただきました。海原の上に、色とりどりの波紋が広がり、一期一会の景色が出来上がりました。

主茶碗には、ベネチアン・グラスのレース模様を使い、「避暑地」をイメージ。
続く茶碗は、琉球ガラスに水平の筋目が涼しい「海流」、フランス製の乳紫色のすりガラス「南風(はえ)」、梶の葉絵の平茶碗「願い」、コバルトの「出港」、この四碗のみで行いました。

茶杓は、土屋琴作で、パイレックスガラスの素材でレース状に手元を飾った「一滴(ひとしずく)」。

水指(みずさし)がわりは、強化ガラスでできた、藍色の手がついたジャーに、氷水をたっぷり入れ、ステンレスの蓋で氷を押さえながら、氷水で薄茶を点てる「氷室点て」で行いました。これですと、砂や芝が水に混入することもなく、清潔に点前できて安心でした。
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それぞれのガラスの道具が発する光と、それらが手元に落とす影に、一番酔ったのは亭主でしょう。
向かい風を受けての点前ですから、棗から茶碗へ抹茶を落とすときが最大の難関です。少し飛ばされることを念頭に、多めに抹茶を組みだし、棗を茶碗よりやや向こうから点前へ傾げ、風の強弱を読んで「えい!」と汲みます。
見事!茶碗に落ちるとき、飛ばされて不覚にも「茶しぶき」を浴びるとき……と、無言の戦いがあるのも、点前座のみ味わえる醍醐味でした。(笑)
このことからヒントとなり、野点人ひかり、新たに一つの着想を得ましてただいまお試し中。次回、向かい風のあるお点前の機会には披露したいと存じます。

もう一点、会が迫ってから、遅い時間の客人が増えたのですが、とくに暗さ対策をしておりませんでしたので、最終席はやや厳しい明度でした。松風を(聞くのでなく)受けながら、「真の茶事」なみの本格的暗さの中で、亭主と客が会話する声と、物の動く気配をよすがにコミュニケーションする世界も、また一興。これはこれで、将来の野点の一つのヒントとなるあり様でした。(笑)松の木下闇がここまで暗いとは……。
刻一刻と姿を変える哀しいほど美しい夕焼け空を背に、六地蔵のように居並ぶ客人のシルエットが印象的でした。(逆光でもっとも見にくかった正客の坂本氏には、終始、携帯のライトで席中を照らしてくださり恐縮です。)
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今回、トップバッターを切った、茶会自体のプロデュースが初体験という20代の野点人、久富生喜。
平素の激務の傍らで、温め続けた当初の「渚茶会」の理想を、ほぼ十二分に盛り込んだ内容で敢行したことは称賛に値します。浴衣に下駄で、大きな荷物をころがしてきた健気さは、野点人の手本!今後の躍進が益々期待される若手です。

茶席終了後は、その場で円座となり、暗闇でのアフタートーク&企画(妄想)会議となり、次々と新しい構想が飛び出しました。やはり、野点人たるもの、会議も野に出て行うのがよろしいかと。

今回の企画野点人5名の他に、入山氏、金光氏、松浦顧問、古賀氏、神田氏も加わり、笹かまぼこやピクルスを摘みながら麦酒を飲みつつ、新たな展開を匂わす「闇鍋」ならぬ「闇会議」となりました。

さて帰宅後、「会議は会議室だけで起こっているんじゃない!」という野点人・岩見氏の熱いメールに爆笑し、ロケハンの大切さとともに、「レインボーブリッジを止めて野点しようかしら…」といらぬことを思ってしまいました。(『躍る大捜査線!』ファン?)
    文責:松浦ひかり

<開催詳細>
2010年7月19日(日)17:00~21:00
葛西臨海公園 クリスタルビュー前
主催 : 国際野点協会 【吉森・岩見・藤平・久富・松浦】
プロデューサー : 久富生喜(ひさとみ みき)

お客人:竹内様、松浦靖子様、古賀様、藤平様・ご子息2名様、坂本様、設楽様、津々木様、井上様、山本様、神田様、入山様、金光様

<簡単会期>
床     色紙 「万里無片雲」大徳寺 朴堂和尚
      花 ときのもの 
      (なでしこ、きれんげしょうま、そばな、いぐさ、きょうちくとう)
      帆かけ舟  折り紙 吉森智浩
      以上 青海波 風呂敷 NHK「竜馬伝」特製を敷いて
      
水指    ウォーターピッチャー 硝子
盆     象彦製  いぐさマット アフリカ土産
籠     中国製
棗     大理石 「未来」 台湾製
茶杓    硝子 銘「一滴(ひとしずく)」土屋 琴 作
茶碗    ベネチアン・グラス 「避暑地」
替     琉球硝子 「海流」
替     フランス製 「南風(はえ)」
替     平 梶の葉絵 「願い」

菓子    銘 「波紋」 (熱田 きよめ餅総本舗製 藤団子)
菓子器   「海原」  鈴木 麻起子 造
茶     「明徳の昔」  詰  山本山


<プロデューサーからのメッセージ>

お疲れさまでしたm(__)m
皆様、このたびは本当にありがとうございました。\(^o^)/
渚野点(なぎさのだて)の夢が皆様のおかげて叶いました。

思っていてもなかなか行動に移す事ができず、ヒカリさんに計画や皆様への依頼をしていただき当日必要な物も、皆様に持ってきていただき感謝です。(@_@。
25歳の夏に、とてもいい思い出ができました!

世界野点協会の一員として仲間に入れてもらえて、とても幸せだなぁ~、楽しいなぁ~と思っております。
ヒカリさん、いつも、素敵なきっかけを有難うございます。
皆様!これからも宜しくお願いします。
     久富生喜(ひだとみ みき)

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by nodate | 2010-07-20 00:28 | イベント報告


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