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国際野点協会(INA)

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2010年 04月 17日

アースデイ2010「いのちの森」杜の茶会

(作業中:画像処理)
明治神宮のNPO響とのコラボ企画。
アースデイ2010での野点です。建立80年の明治神宮でも、芝地での野点は史上初でした。使命感を背負ってはりきって臨んだ野点人たち。(↓写真はイメージです)
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…しかし、当日早朝、窓を開けるとそこは…なんと銀世界でした。
4月下旬の東京の積雪。なんとそれは41年ぶりの記録的な寒波。まさに「試される野点人」はこわばり、若干ひきつりつつ、玄関に積み上げた野点傘、シート、茶道具をぐっと睨みつけしばし悶絶。これまでの準備が頭を過り、今しも仲間は窓を見ながら着付けしているのか、していないのか・・・。

しかし霙降る中、迎えの車は、アウトドア派の不屈の野点人・中沢氏。「いや~降りましたね~」と明るく登場。
そうだった、三軒茶屋では今日のために意匠を凝らしたオリジナル和菓子が出番を待っている。
雨の交差点では、wagashi asoboさんが大きな紙袋を濡れないよう大事そうに下げて待っていました。

160個のお菓子を作っていただいたからには、これを待つ誰かの胃袋へ届けるのが私たちの使命なのです。誰かの胃の腑にお菓子を納め、一服のお薄の後の「ほっ」という息を聞く「今日」であるべきなのです。お抹茶は青松園の「御園の白」。神宮の庭で頂くべきお茶なのです。

この日のためのオリジナルのお菓子の銘は、「水琴(すいきん)」・・・雨の予報に心を痛めながらも、「雨の音を楽しめる茶会になりますように」とのリオさんの優しい心が込められています。白い半月の上に、花弁と一滴の雫。白い牛皮の中身は、カカオ餡。見た目だけじゃく、五感を使えばいろいろ楽しめますよという提案です。
もう一方は「息吹(いぶき)」・・・一粒のドングリから森が生まれ、緑の地球となりますよう、願いを込めた草餅です。懐かしいような青い草の香り。躍動する生命力を、一つのお菓子に表しています。
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神宮では、大雨の中、本殿前の集合に着物で集まっていたスタッフに感激しました。さすが、野点人です。
熱意が伝わり、神宮には急きょ、広い研修室を貸してもらい、野点風にしつらえました。三方が森に面した広い窓・・・。緑雨にぬれてキラキラ輝く森の懐に抱かれながら、少し想定と違うものの、予定時刻にスタートしました。お客様到着の頃には雨は上がり、エメラルド色に輝く鎮守の森を、案内されたお客様が次々現れ、2席分設置した茶筵は満席に。

一方は「身近な自然に親しもう」をテーマに、紺毛氈の上に飯盒型の茶箱を用いて男性のお点前に。この飯盒型の茶箱は、東京地区の初茶会での寄付きに登場した、足利幕府プロジェクトの企画開発プロダクトです。アルミは唯一「染色」できる金属とか。めんせんの柄を復活させ、プリントしています。紺の毛氈や、男子の袴にも馴染んでいました。
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もう一方は、緋毛氈にピクニック風にしつらえた、外国旅行の土産ものを見立てて使い、これからの野点人たちが、テーマ「破草鞋(はそうあい)!」を座右の銘に、これから世界中を掛け巡る心意気を、女子が表明いたしました!(笑)エクアドル、ペルー、ロシアからの民芸品で取り合わせ。ティファールの白いポットがバンダナを巻く姿は重ね着インディオ風。
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窓の外には、ドングリプロジェクトの植木鉢が並んでいるのが見おろせます。森に生まれたドングリが、やがて森をつくります。これも恵の雨なのですね。
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「野点人」は、天候という「自然の心もち」を、全て引き受けなければ務まりません。そんな大前提を教えてくれるための、41年ぶりの積雪だったのでしょうか・・・。
野点人の一人が面白いことを言っていました。「建物の内部に向けて、「野点こちら」と矢印がある。階段を上って奥へ奥へ…、そしてこの会場に辿り着くと、確かにそこで「野点」をしている。パラドックスのようで、アリスのティーパーティーに呼ばれているような錯覚を起こす面白みがあったかも・・・」なるほど。
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春の陽射しは想いの他力強く、昼過ぎには芝地も回復しました。朝の銀世界が夢のようです。
というわけで、誰からともなく、「やっぱり芝地へいこう!」となり、朱傘を抱えるもの、茶碗を運ぶもの、菓子を詰めるもの・・・一台のワゴン車にすし詰め(ここカットでしょうか)になって移動。

ついに、夢の野点を敢行いたしました!(写真 後日アップ)

この日の野点人
松浦
中沢
吉森
岩見
瀬沼
久富
元木
中島
山口
(以上:敬称略)

協力いただいた方
「響」みなさん
明治神宮各位
Wagashi asobiさん(菓子ご協賛)
瀬沼(夫君)さん
松浦靖子さん
その他多くの方にご協力、ご支援をいただきました。
感謝とお礼を込めて。ありがとうございました。合掌。

by nodate | 2010-04-17 23:59 | イベント報告


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